【現地地域レポート②】マレーシアキャメロンハイランド-公立学校の折り紙教室-

公立学校の折り紙教室

一方、ふささんが前回の滞在時から始めたのが折り紙教室。昨年、キャメロン会ではクラブやバットなどの野球用具を現地の学校に寄付した。その再、日本から折り紙を持参してきた彼女が校長先生に「こどもたちに折り紙を教えたい」と申し出たところ、快く承諾してくれた。

ふささんが折り紙を教えたのは13歳から17歳までの生徒が通うタナ・ラタの公立学校。生徒たちも多民族国家らしくマレー系、中国系、インド系と幅広い。緑と黄色のジャンパーや水色のスカートなど、町中で見かけた制服も南国らしい色合いだ。

「こちらの子供たちは、体の大きい子はいますけど、純朴でおとなしいですね。同世代の日本の子供たち比べるとあまりすれてないのが印象的です」

1クラスの人数は約30人。それだけの人数を1人では教えきれないので、他のキャメロン会のメンバーに手伝ってもらい、鶴や花、風船、蝶々などの折り方を教えた。「一緒に手伝ってくれた他のメンバーも、教える面白さに感激してしまって(笑)」

これまでに折り紙教室は昨年夏に3回、今年の冬に2回行われた。今回の滞在で、彼女は現地の環境保護を目的とするボランティア団体REACHのイベントにも参加。3月にはそのイベントで新聞紙や包装紙を使ったかぶとの折り方を教えた。

地元との交流をめいっぱいに楽しんでいるふささん。そんな奥さんの生活ぶりに、「彼女のようなこつこつとした活動がロングステイの醍醐味なんですが、どうも男はゴルフばかりで駄目ですね(笑)」と宏芳さんは、照れくさそうに笑った。

【絵画教室でスケッチを楽しむ】

今年の1月から2がつにかけて日本人スレイヤー向けに絵画教室が行われた。そこで講師を務めたのが、キャメロン滞在が2度目になる久富良子さん(67歳)

日本では墨彩画を中心に個展を開き、絵画教室の先生も務めている良子さん。ドイツやイタリアなど海外に行くときはいつも画材を持っていき、その街並みを描いている。今回のキャメロン滞在中も作品創作に励んでいたところ、ステイヤーの中に画材を持ってきている人がいることを知った。その時に「絵画の手ほどきをしてくれる人を探している」という話を聞き、その講師のボランティアを引き受けた。「きっちり指導するというよりは、皆さんに自由に描いてもらいました。絵を描いてもらうきっかけ作りをしたかったので」

毎週土曜日の午前中に行われた絵画教室は、主に屋外でのスケッチが中心だった。外に出れば描くための素材は溢れている。ヘリテージホテルの外観やタナ・ラタの街並み、またホテルの塔からの町全体を見下ろした風景など、毎回テーマを変えた写生会は計6回行われた。

キャメロンには1937年建てられたスモークハウスというホテルがある。この歴史あるホテルは、外観や庭園、客室に至るまで、古き良きイギリスを思い起こさせてくれるため観光スポットにもなっている。

実際に訪問した時もタイムスリップしたかのような錯覚を感じさせてくれたが、ここでも写生会は行われた。「スモークハウスには一種独特な趣きがあるんです。この時は参加者も多かったので、皆さん和気あいあいと本当に楽しそうでした。」

【ホテルのロビーで展示会】

タナ・ラタにあるヘリテージホテルは、日本人スレイヤーに人気の宿泊施設。滞在中もロビーで日本人の姿を見かけない時はなかった。2月の中旬には、この場所で1週間の展示会が開かれた。

「皆さんのびのびと描いていらっしゃったので、作品にも素直な魅力が表れていました。キャメロンハイランドで生活をさせてもらって、少しでも他の方に喜んで頂けたのが嬉しいです。」

自分の作品をプリントした鮮やかなTシャツを着ていた良子さん。今回の滞在もそろそろ終わりに近づき、早くも次回のロングステイを楽しみにしていた。

日本人滞在者が多くなり、リピーターも増加しているキャメロンハイランド。そんな中で、現地での時間の過ごし方も多様化の傾向にある。生き生きと地元の人々や滞在者同士の交流深めていくロングスレイヤー。

そんな姿からボランティアという活動が、ロングステイ先の生きがいとして、大きな役割を果たしていることを改めて認識させられた。

この記事を書いた人

plantam yamada